SME MULTI CONSULTANT ニュース 17号(191021)
タイの法令の新しい話題を簡潔にまとめ、月一回のペースで送信いたします。(西暦 = 仏暦 − 543)
1.BOIデジタルワークパーミット申請時に健康診断書提出義務:
従来(小生の知る限り20年ほど)、BOI事業者の外国人のワークパーミット新規申請・更新申請の際、医師の健康診断書は免除されていました。
(その間、BOI事業者でない一般事業者のワークパーミット申請では、医師の健康診断書の提出が義務付けられていましたので、事実上ダブルスタンダードとなっていました)
この点、タイの実業界においては、BOI資格者の絶対数が増加するとともに就労任期中の死亡・重病などが発生しており、政府当局による見直しがされていたところです。
その結果、労働省雇用局発BOI宛て行政通達(RoNgo0316/60540)により、2019年8月申請分から下記の内容で医師の健康診断書提出が必要となりました。
診断内容の表示は「本人が精神疾患ではなく、ハンセン病・感染期の結核・フィラリア(寄生虫感染症)・麻薬覚醒剤中毒・アルコール依存症・第3期梅毒にも罹患していない」ことです。
なお、医師による検査内容はおおむね下記のとおりとなります。
胸部レントゲン検査、血液検査、(場合により)尿検査、問診等(検査費用は千~二千バーツ程度です)。
2.外国人事業法上の最低資本金届出とは:
前号で、「外国人事業法第14条1段に基づき、外国人たる法人が外国人事業法に該当しない事業を行う場合、2,000,000バーツ以上(実際の金額は要算定)の最低資本金を持たなければなりません」と記載いたしました。では、事業者が最低資本金を持っていることは、どうやって証明するのでしょうか?
その最新情報は、190828付け官報で公示され、即日施行された「仏暦2562年商務省令(最低資本金のタイ国内への送金・持込み規定)」等に分散して明示されています(最低資本金の算定式は省略します)。最低資本金を持っていることの証明にかかるポイントは下記のとおりです。
①外国で設立された法人がタイ国内で外国人事業法上の事業許可不要の事業Aを開始する場合、外資のタイ側着金日から15日以内に銀行からの証明書を会社登記事務所の登記官に提出する。 ← 駐在員事務所などが該当します。
②外国で設立された法人がタイ国内で外国人事業法上の事業許可を要する事業Bを開始する場合、上記①の前に外国人事業法17条による事業許可を取得する。 ← 外国法人の支店などが該当します。
③タイ国内で新規に外資企業を設立してタイ国内で外国人事業法上の事業許可不要の事業Cを開始する場合、会社設立登記の法令に準拠する。
④タイ国内で新規に外資企業を設立してタイ国内で外国人事業法上の事業許可を要する事業Dを開始する場合、会社設立登記の法令に準拠しつつ、外国人事業法17条による事業許可を取得しなければならない。または、会社設立登記の法令に準拠しつつ、投資奨励法等の特別法による事業認可および外国人事業法12条による事業資格証明書を取得しなければならない。
⑤タイ国内の既存の外資企業がタイ国内で外国人事業法上の事業許可不要の事業Eを開始する場合、会社増資登記の法令に準拠する。
⑥タイ国内の既存の外資企業がタイ国内で外国人事業法上の事業許可を要する事業Fを開始する場合、上記⑤の前に外国人事業法17条による事業許可を取得しなければならない。または、上記⑤の前に投資奨励法等の特別法による事業認可および外国人事業法12条による事業資格証明書を取得しなければならない。
*上記①~⑥は全て、他の条約や法令による規制や許認可の有無を考慮する必要があります。また、上記の例外となるケースもあります。
以上です(上記は作成した時点でのご参考情報です。実際の運用の
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