SME MULTI CONSULTANT ニュース 27号(200411)
タイの法令の新しい話題を簡潔にまとめ、月一回のペースで送信いたします。(西暦 = 仏暦 − 543)
1.タイ政府がコロナ対策で非常事態宣言(200406~9更新分)、200403から夜間外出禁止:
200325付けでプラユット首相が宣言し、同日付け官報で公示され、200326から200430の期間施行されている「(仏暦2548年 非常事態下の行政統治にかかる勅令 第5条に基づく)タイ全国を対象とする非常事態宣言」と、「(仏暦2548年 非常事態下の行政統治にかかる勅令 第9条に基づく)施行規則第1号」についてはSME MULTI CONSULTANTニュース22号をご参照下さい。
200312付け「内閣府通達第76/2563号」により設立された「ศูนย์บริหารสถานการณ์การแพร่ระบาดของโรคติดเชื้อไวรัสโคโรนา 2019 (โควิด – 19): Center for COVID-19 Situation Administration、タイ政府COVID-19対策本部(CCSA)は、200325付け官報で公示された「(仏暦2548年 非常事態下の行政統治にかかる勅令に基づく)特別執行機関設立にかかる総理大臣通達 第2563/5号」により、そのまま新型コロナウィルス(COVID-19)の非常事態に対応していくこととなりました。
CCSAでは、200325から内閣府広報局テレビ(NBC)、マスコミ公社テレビ(MCOT)やラジオの生放送だけでなく、直管のフェイスブックやユーチューブ等のビデオオンデマンドも活用して1回1時間程度の直接情報発信を行い、毎日2~3回更新しています。タイ語ですが一部は英語でも広報されています。
例: 200409タイ政府COVID-19対策本部(CCSA)政策説明・進捗報告(内閣府広報局ユーチューブ)
https://www.youtube.com/watch?v=mJ_5LBE2aUU&list=UUw7opVQfEQUO7JzJG2HUoQw&index=8
日々の政策説明・進捗報告のポイントは下記のとおりです。200405までの分はSME MULTI CONSULTANTニュース26号をご参照下さい。
200406 タウィーシンCCSA報道官(医師):新型コロナウィルス(COVID-19)の流行により、タイ政府は2020年度予算の見直しと特別予算を組んでいる。タイ国内の新型コロナウィルス(COVID-19)発生状況は感染者2,220人(うち新規感染51)、回復793人、治療中1,401人、死亡26人。新規感染者の内、医療関係者が13人。家族間感染が半数近くを占める。海外からの帰国タイ人の14日間隔離観察の手順は、まず海外のタイ領事発行の帰国証明書・COVID-19非感染証明書を提示して渡航、タイ到着時には書式TO8(健康質問票)提出、検温で37.3度を超えたら即病院。37.3度以下なら14日間隔離観察のため、政府所定の施設に案内する。その際、携帯電話に行動追跡アプリをインストール。すべては秩序正しく順番に安全に帰国してもらうための措置だ。今、内務省の行政通達を情報操作し「24時間外出禁止令」だとして拡散している者がいるがフェイクニュースであり、非常事態法違反である。また、FFP1マスクはN95の機能を果たさないので病院に寄付しないでほしい。
200407 タウィーシンCCSA報道官(医師):昨日、CCSA代表団がワチラロンコン国王陛下に謁見し、国王教示と医療物資(防毒マスク132個、検温器50個、手術用マスク200万枚、フェイスシールド3万枚、PPEスーツ4千セット)を拝受した。タイ国内の新型コロナウィルス(COVID-19)発生状況は感染者2,258人(うち新規感染38)、回復824人、治療中1,407人、死亡27人。夜間外出禁止令4夜目の200406の22時から200407の4時までの6時間で記録した違法外出者は最高の1,217人に達し、悪質な1,047件を摘発した。毎晩増えている。あなたが協力しない場合、規制は強化されるだろう。出国者と入国者の推移、出国者は3月下旬の3~2万人/日から4月上旬の3~2千人/日へ、同じく入国者は2万~2千人/日から1千~数百人/日へと大幅減。200406の外国人入国者数172人(就労許可者のみ)、タイ人175人。帰国したタイ人の14日間隔離観察だが、宿舎はシングルルームで三度の食事は高品質、医師の診察あり、軍警察の警備ありで、ここまで手を尽くす国はあまりない。
200407 プラユット首相(CCSA代表):本日の閣議決定、COVID-19対策、財務金融面で3つの施策推進を承認。①2020年度通常予算で(閣議決定、下院、上院、国王陛下御名を経て)6月までのCOVID-19対策補正予算成立を目指す。さらに政府は1兆バーツの国債発行の勅令案を提出する。6割を医療活動等、4割を経済回復に充てる方針。一方、タイ中央銀行は9千億バーツ規模の金融政策の勅令案を提出する。なお、政府は干ばつ対策も重点的に進める。海外からの帰国タイ人の隔離観察は計画的に順次進める。政府はCOVID-19を国家的重大案件に指定した。
200407 ウッタマ財務相:2020年度通常予算で既に9百億バーツをCOVID-19対策に使ったが、補正予算案では、各省庁の協力により不要不急の予算は返上してもらい、COVID-19対策に重点を移していく。次に1兆9千億バーツ規模の財政金融対策だ。まず1兆バーツの国債発行勅令案の内訳は6割を、6ヶ月間の国民生活支援、農家支援、医療体制充実に、4割を経済社会復興、特に地域経済の強化と地区レベル基礎インフラ整備に充てる。政府債務残高はGDP比で51%となる。一方、9千億バーツの中央銀行の金融政策勅令案の内訳は、5千億を中小企業向け新規ソフトローン(年利2%、与信枠5億バーツ以下)に宛て、商業銀行・ノンバンクによる中小企業向け既存融資では6ヶ月間の利息支払い猶予措置(与信枠1億バーツ以下)をとる。また4千億を金融機関安定策に宛て、新設するBSF(Corporate Bond Liquidity Stabilization Fund:企業債券流動性安定基金)により民間投資信託の買い支えを行う。なお、勅令成立までは内閣、法制審議会、国王陛下御名を経る。6月のスタートを目指す。なお、「ラオマイティンカン(私たち見捨てない)」プロジェクトでは、社会保険制度外の労働者向けに当初月額5,000バーツを3ヶ月支給としていたが、COVID-19事態悪化のため6ヶ月に延長の措置を行う。対象は9百万人規模となる。農家支援策では、既に干ばつ対策は予算措置済みだが、さらに収穫支援等も進めていく。
200408 タウィーシンCCSA報道官(医師):昨日(200407)の閣議決定、①学校再開を200516から200701に延長、②4~6月分の電気代一部無料(5A以下のメーターで最初の90単位まで)、③4~6月分の電気代支払い6ヶ月猶予(5A以下のメーター)、④1兆9千億バーツ規模の財政金融対策(上述済み)、⑤マスク調達追加予算8億バーツ、4~9月に一般国民向け配給。タイ国内の新型コロナウィルス(COVID-19)発生状況は感染者2,369人(うち新規感染111)、回復888人、治療中1,451人、死亡30人。海外からの帰国タイ人の14日間隔離観察を行っているが、例えば宿泊施設のベッドを「シングルにしろ」「ダブルにしろ」「キングサイズにしろ」などと不満が多い。政府の目的は、タイ人全体とあなたを守るためにあなたを隔離しているのだから、お互い様と思ってもらいたい。Siam Bioscienceの尽力により、検査費用が4,500バーツから1,500バーツへとコストダウン。一日2万人ペースの検査体制。検査数に対する感染者割合はフィリピン57%、フランス42%、英国27%、インドネシア21%、米国18%、イタリア18%、日本7%、マレーシア6%、タイ2%、韓国2%。COVID-19治療施設は全国110ヶ所(うち33ヶ所がバンコク)に設置済み、バンコクは十分、地方を充実させていく。文化省のソンクラーン啓蒙でも、先祖や親を敬うという伝統を守りつつも、水かけ自粛と社会的距離の保持を呼び掛けている。「ラオマイティンカン(私たち見捨てない)」プロジェクトの5,000バーツ支給が本日(200408)開始された。
200409 タウィーシンCCSA報道官(医師):タイ国内の新型コロナウィルス(COVID-19)発生状況は感染者2,423人(うち新規感染54)、回復940人、治療中1,451人、死亡32人。感染者皆無のブンカーン県が県境封鎖。夜間外出禁止令6夜目の200408の22時から200409の4時までの6時間で記録した検問検査数が最高の22,102台/28,894人に達し、悪質な1,204件を摘発した。海外在住タイ人200人ずつの段階的帰国+隔離観察の実務経験蓄積。感染爆発に備えバンコクに80床のICU室を新設(既存の建物使用)。感染者治療費の国費負担化。治療薬ファビピラビル(アビガン)は200408現在で輸入済み187,000錠、使用済み47,518錠(患者590人)、在庫139,482錠。本日(200409)3M製のN95マスク203,520枚が到着したのは朗報だ。また、N95マスクの(4回まで)再利用技法も確立、UV照射器(4ワット、距離5~8センチ)で22分消毒または70度で30分消毒することでCOVID-19が消滅する。
—————————————
*当事務所の対策状況:
コロナウィルス(COVID-19)対策のため小社では当面の期間、下記のとおり万全対策を行っております。お客様各位のご協力を賜り、まことにありがとうございます。
お客様対応はテレビ会議(Web会議)・eメール・電話に「全てを切り替え済み」です(対面式の会議は当面の間、自粛させていただきます)。
しばらくご不便をおかけすることなり、誠に恐縮に存じますが、一致協力してこの難関を突破して参りましょう。
以上です(上記は作成した時点でのご参考情報です。実際の運用の
御社のご盛業を!