ニュース 33号 (200503)

SME MULTI CONSULTANT ニュース33号(200503)

タイの法令の新しい話題を簡潔にまとめ、月一回のペースで送信いたします。(西暦 = 仏暦 − 543)

1.タイ政府がコロナ対策で非常事態宣言(+夜間外出禁止令)を200531まで延長(200428~200501更新分):

200325付けでプラユット首相が宣言し、同日付け官報で公示され、200326から200430の期間施行されている「(仏暦2548年 非常事態下の行政 統治にかかる勅令 第5条に基づく)タイ全国を対象とする非常事態宣言」と、「(仏暦2548年 非常事態下の行政統治にかかる勅令 第9条に基づく)施行規則 第1号」については SME MULTI CONSULTANTニュース22号を ご参照下さい。200312付け「内閣府通達第76/2563号」により設立された「ศูนย์บริหารสถานการณ์การแพร่ระบาดของ โรคติดเชื้อไวรัสโคโรนา 2019 (โควิด – 19): Center for COVID-19 Situation Administration、タイ政府COVID-19対策本部(CCSA)は、200325付け官報で公示された「(仏暦2548年 非常事態下の行政統治に かかる勅令に基づく)特別執行機関設立にかかる総理大臣通達 第2563/5号」により、そのまま新型コロナウィルス(COVID-19)の非常事態に対応してい ます。CCSAでは、200325から内閣府広報局テレビ(NBC)、マスコミ公社テレビ(MCOT)やラジオの生放送だけでなく、直管のフェイスブックやユー チューブ等のビデオオンデマンドも活用して1回1時間程度の直接情報公開を行い、毎日2~3回更新しています。タイ語ですが一部は英語でも広報されています。
例:    200501タイ政府COVID-19対策本部(CCSA)政策説明・進捗報告(内閣府広報局ユーチューブ)https://www.youtube.com/watch?v=l9N2fy8r8EU

日々の政策説明・進捗報告のポイントは下記のとおりです(200427までの分は SME MULTI CONSULTANTニュース32号をご参照下さい)。

200428 タウィーシンCCSA報道官(精神科医師):タイ国内の新型コロナウィルス(COVID-19)発生状況は感染 者2,938人(うち新規感染7人)、回復2,652人、治療中232人、死亡54人。家族・親戚間の感染割合が上昇している。社会的間隔とマスク着用を徹底する こと。シンガポールの外国人労働者感染爆発対策ではチャンギ国際展示場が臨時病院に。帰国タイ人の空路受入れ(14日間隔離観察)は本日、インドから189人、ス ペインから12人、明日、インドから189人だ。200404~200427の合計で2,769人が21ヶ国から空路帰国。一方、陸路では本日、マレーシアか ら303人、ミャンマーから14人、ラオスから8人、カンボジアから7人が帰国。空路陸路とも、帰国タイ人全員を隔離観察している。国防省管轄の入国者隔離観察施 設は空港と国境に収容能力5,415人で展開、うち空室が3,431人分と余裕あり。内務省管轄の国内隔離観察施設は全国76都県に799ヶ所、収容能 力21,180人で展開、うち空室が16,168人分とこちらも余裕あり。海外からのウィルス流入を水際で徹底阻止中である。昨夜の夜間外出禁止令では違法外出、感染危険行為ともに増加。どうかご協力を。

200429 タウィーシンCCSA報道官(精神科医師):タイ国内の新型コロナウィルス(COVID-19)発生状況は感染 者2,947人(うち新規感染9人)、回復2,665人、治療中228人、死亡54人。新規感染者数を一ケタでキープ中。乳児への感染防止策として母親がマスク直 用で授乳時の衛生管理と他社との社会的間隔保持、粉ミルクは経費面と免疫力付与の機会喪失となるためできるだけ母乳を推奨。3月と4月の比較で男女とも、社会的間 隔保持(男性のみ実行率低下)、手洗い消毒励行、マスク着用で実行率が上がったのは喜ばしい。帰国タイ人の空路受入れ(14日間隔離観察)は本日、インドか ら189人、明日、ロシアから15人、スリランカから40人、インドから170人だ。200404~200428の合計で2,981人が22ヶ国から空路帰国。一 方、陸路では本日、マレーシアから364人、ミャンマーから3人、ラオスから2人、カンボジアから3人が帰国。(タイ民間航空管制庁(CAAT)ホームページ掲 載の)200427付け「航空機のタイ国内侵入一時禁止措置にかかるタイ民間航空管制庁告示第4号」により、引き続き民間旅客機が200531の23:59まで原 則として進入禁止となる。例外は、①公用・軍用機、②緊急着陸、③試験着陸、④COVID-19関連の人道支援、物資輸送、救援活動、⑤タイ人の帰国、⑥エアカー ゴ。

200430 タウィーシンCCSA報道官(精神科医師):タイ国内の新型コロナウィルス(COVID-19)発生状況は感染 者2,954人(うち新規感染7人)、回復2,687人、治療中213人、死亡54人。PCR検査数/日は3月の千人台前半から4月末では4千人まで増加でき た。全世界の累積感染者233万人、累積死亡者22万8千人。1日の死亡者が1万人を超えている惨状だ。タイの累積感染者数は2,954人で59位。以降、非常事 態宣言(+夜間外出禁止令)を200531まで延長することと、経済活動を一部緩和する運用基準の説明(詳細は下記)。

200501  タウィーシンCCSA報道官(精神科医師):今日はメーデー、家で過ごそう。タイ国内の新型コロナウィル ス(COVID-19)発生状況は感染者2,960人(うち新規感染6人)、回復2,719人、治療中187人、死亡54人。帰国タイ人の空路受入れ(14日間隔 離観察)は本日、シンガポールから165人、ネパールから38人、明日、カザフスタンから55人、オランダから35人、アラブ首長国連合か ら130人だ。200404~200430の合計で3,381人が23ヶ国から空路帰国。一方、陸路では本日、マレーシアから371人、ミャンマーから34人、ラ オスから10人、カンボジアから24人が帰国。昨夜の夜間外出禁止令では違法外出、感染危険行為ともに増加。気の緩みが出ている。引き締めなければならない。以 降、非常事態宣言(+夜間外出禁止令)を200531まで延長することと、経済活動を一部緩和する運用基準の説明(詳細は下記)。

「仏暦2548年 非常事態下の行政統治にかかる勅令 第9条に基づく施行規則第5号(200501官報公示、200503施行)」のポイント:

第1項 COVID-19感染拡大防止のためタイ全国で22:00~04:00の夜間外出禁止、既発の「(仏暦2548年 非常事態下の行政統治にかかる勅令 第9条に基づく)施行規 則第2号(200403施行)」と 「(仏暦2548年 非常事態下の行政統治に かかる勅令 第9条に基づく)施行規則第3号(200410施行)」は依然として有効。違反者は非常事態法による処罰、また違法外出時の隔離観察拒否、感染危険行 為はさらに伝染病対策法による処罰。さらに、場合により刑法、麻薬覚せい剤法、賭博取締法、(偽ニュース拡散・情報操作には)コンピュータ犯罪取締法の適用あ り。違反者を登録し将来の政府給付時の参考にする。

第2項 活動制限の範囲: (1)学校・教育機関の閉鎖(例外:ネット授業・行事)。 (2)密集型行事の禁止:会議、セミナー、食料・物資無料配布活動(例 外:当局指導により1メートル以上社会的間隔保持し、密集せず短時間、政府基準感染防止策を取る場合)。会議はテレビ会議(Web会議)を推奨する(200419施行の仏 暦2563年テレビ会議(Web会議)緊急勅令により民間組織のテレビ会議(Web会議)が認められ、株式会社の株主総会・取締役会もテレビ会議(Web会議)で実施可能。ただし、録音・録画することが条 件)。 (3) 空港での航空機搭乗(例外:航空当局の告示で許可された場合)。 (4)陸海空路入国者は外国人とタイ人を分け、当局所定の感染防止策を受け る。 (5)一定期間隔離観察措置等の対象者は入国時に当局の指示に従う。 (6) 仏暦2558年伝染病法に基づきバンコク都知事、各県知事が指定しなければな らない「閉鎖対象の場所」: 演芸場、娯楽施設、パブ、バー、風俗営業施設、プール公園、遊技場、遊園地、動物園、スケート場、ローラーブレード場等、スヌーカー クラブ、ボーリング場、ゲームボックス、ゲームセンター、インターネットカフェ、水泳プール、闘鶏場、百貨店、ショッピングセンター、フィットネス、美容整形医療 施設、展示場、会議場、展覧会場、博物館、図書館、保育所・託児所、高齢者施設、ボクシング場、スポーツ教室、入れ墨・ピアス店、社交ダンススクール・クラブ、競 馬場、入浴・サウナ・薬草サウナ店、健康事業者、タイ式マッサージ店、フットマッサージ店、特殊浴場。 (7)その他の感染拡大あり得る場所、都県知事の閉鎖権 限。

第3項 第2項(3)(4)(5)(6)(7)は非常事態法も適用。

第4項 宗教施設における染病対策法当局による感染予防策の遵守義務。

第5項 県境を越える移動の自粛と検問での感染予防措置を受ける義務。

「仏暦2548年 非常事態下の行政統治にかかる勅令 第9条に基づく施行規則第6号(200501官報公示、200503施行)」のポイント: COVID-19感染防止措置による国民の経済、社会、安全保障の負担減のための一部規制緩和。

第1項 先に「仏暦2548年 非常事態下の行政統治にかかる勅令 第9条に基づく施行規則第1号(200325官報公示、200326施行)」第12項で例外 的に営業を認めていた業種は引き続き営業を認める{訳者注: 病院、看護施設、診療所、薬局、(接客業ではない)飲食店・屋台の持ち帰り販売のみ、ホテルの宿 泊・食事施設のみ、コンビニ、一般小売商、ショッピングセンターのスーパーマーケット・薬局・食料品売り場・生活必需品売り場のみ、工場、証券会社、金融機関、銀 行、ATM、市場・定期市の生鮮食品・加工食品・惣菜・ペットフード・医薬品医療器具・生活必需品売り場のみ、燃料・ガス店、ガソリン(ガス)スタンド、運輸・物 流サービス、食品ホームデリバリー、官公署、公社公団、(学校等すでに閉鎖中の機関を除く)公的機関}。
このたびさらに一部事業者に対する閉鎖規制解除により営業を認める: (1)経済生活必需活動 ①「(娯楽施設、パブ、バーを除く)ホテル、空港、駅、バスター ミナル、病院、飲食店、コンビニ、移動式屋台、行商、固定式屋台」での食料品・飲料品販売。政府基準の感染防止策義務付け。酒類は持ち帰りのみとする。 ②「百貨 店・ショッピングセンター・コミュニティーモール内」の一部: スーパーマーケット、薬局、生活必需品店、携帯電話・インターネット店、銀行、政府・公共機関窓 口。飲食店は持ち帰りのみ。 ③小規模小売業・卸売業、住宅街の小売・卸売業、市場、水上マーケット、定期市。入口で体温測定する、密集は不可。 ④理髪美容 院。男性・女性とも、洗髪、散髪、ヘアカット、セットのみ。待合椅子禁止。 (2)医療健康促進活動: ②合法的な病院、医院、歯科、医療施設。 ③ゴルフコー ス、ゴルフ練習場。密集・試合は不可。クラブハウスやレストランは上記(1)①の基準遵守。 ③屋外競技場(国際基準)で団体競技以外のもの: テニス、馬術、射 撃、アーチェリー等。密集・試合は不可。クラブハウスやレストランは上記(1)①の基準遵守。 ④公園、公共広場、運動場、屋外スポーツ場。徒歩、ジョギング、自 転車。密集・試合は不可。 ⑤ペット美容・預かり施設

第2項 上記の営業につき、感染防止策の義務付けと当局の指導・取り締まり、閉鎖命令権限: 社会的間隔、マスク着用、体温測定、人数管理、時間管理、密集防止。

「COVID-19対策本部(CCSA)通達第2/2563号:仏暦2548年 非常事態下の行政統治にかかる勅令 第9条に基づく施行規則運用指 針(200501官報公示・200503施行)」のポイント:(詳細は次号)

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*当事務所の対策状況: コロナウィルス(COVID-19)対策のため小社では当面の期間、下記のとおり万全対策を行っております。お客様各位のご協力を賜り、まことにありがとうござ います。

お客様対応はテレビ会議(Web会議)・eメール・電話に「全てを切り替え済み」です(対面式の会議は当面の間、自粛させていただきます)。

しばらくご不便をおかけすることなり、誠に恐縮に存じますが、一致協力してこの難関を突破して参りましょう。

*お知らせ: 当事務所では在タイ日系企業向けに、社会保険(失業またはCOVID-19による一時帰休)補償給付申請の相談/支援業務を日本語とタイ語で行っております。

以上です(上記は作成した時点でのご参考情報です。実際の運用の際は再度ご確認のほどお願いいたします。なお、西暦 = 仏暦 – 543です)


御社のご盛業を!日タイ経済産業連携と両国の永続的な友好関係を祈念して!

SME MULTI CONSULTANT CO., LTD.

川島和士 (KAZUSHI KAWASHIMA)