ニュース 36号 (200515)

SME MULTI CONSULTANT ニュース36号(200515)

タイの法令の新しい話題を簡潔にまとめ、月一回のペースで送信いたします。(西暦 = 仏暦 − 543)

1.タイ政府がコロナ対策非常事態宣言(+夜間外出禁止令)を200531まで延長(200507~200510更新分):

200325付けでプラユット首相が宣言し、同日付け官報で公示され、200326から200430の期間施行されている「(仏暦2548年 非常事態下の行政統治にかかる勅令 第5条に基づく)タイ全国を対象とする非常事態宣言」と、「(仏暦2548年 非常事態下の行政統治にかかる勅令 第9条に基づく)施行規則第1号」については  SME MULTI CONSULTANTニュース22号をご参照下さい。また、200531まで非常事態宣言(+夜間外出禁止令)が延長された「(仏暦2548年 非常事態下の行政統治にかかる勅令 第9条に基づく)施行規則第5号」については  SME MULTI CONSULTANTニュース33号をご参照下さい。

200312付け「内閣府通達第76/2563号」により設立された「ศูนย์บริหารสถานการณ์การแพร่ระบาดของโรคติด
เชื้อไวรัสโคโรนา 2019 (โควิด – 19): Center for COVID-19 Situation Administration、タイ政府COVID-19対策本部(CCSA)は、200325付け官報で公示された「(仏暦2548年 非常事態下の行政統治にかかる勅令に基づく)特別執行機関設立にかかる総理大臣通達 第2563/5号」により、そのまま新型コロナウィルス(COVID-19)の非常事態に対応しています。CCSAでは、200325から内閣府広報局テレビ(NBC)、マスコミ公社テレビ(MCOT)やラジオの生放送だけでなく、直管のフェイスブックやユーチューブ等のビデオオンデマンドも活用して1回1時間程度の直接情報公開を行い、毎日2~3回更新しています。タイ語ですが一部は英語でも広報されています。

例:

https://www.youtube.com/watch?v=Rucl_CRfutk&list=UUw7opVQfEQUO7JzJG2HUoQw&index=9

200510タイ政府COVID-19対策本部(CCSA)政策説明・進捗報告(内閣府広報局ユーチューブ)

日々の政策説明・進捗報告のポイントは下記のとおりです(200506までの分はSME MULTI CONSULTANTニュース35号をご参照下さい)。

200507 タウィーシンCCSA報道官(精神科医師):タイ国内の新型コロナウィルス(COVID-19)発生状況は感染者2,992人(うち新規感染3人)、回復2,772人、治療中165人、死亡55人。全世界累積感染者数が380万人、死者数は26万人を突破。今日のCCSA本会議の要旨をお伝えする。タイにとって感染拡大第二期の懸念は①外国からのウィルス進入、②国内のヒトの活動活発化の二つだ。感染拡大第二期防止のカギは社会的間隔であり密集回避である。教育分野では衛星放送やネット授業が推進されているし、公園開放でもウィルス拡散防止対策が施されているなどの工夫が大事だ。今、そういった工夫のノウハウを集積中であり、200513にはそれらをまとめ、200514には規制緩和策第二弾を発表、200517に施行する方向で調整中。国民各層のさらなる協力と知恵の結集をお願いする。今から10日間の皆さんの努力次第で決まる。厚生省疾病対策局では、推進してきた効率的なPCR検査方針が正しいことを確認した。すなわち「とにかく感染症の実態把握のためなら」と、やみくもに検査数を追求するのではなく、逆に「感染可能性の高い40万人を厳選してPCR検査」を実施していることである(うち23万人検査済み)。したがって「風邪気味」「嗅覚がおかしい」「外国人不法就労者」「運輸・配達業」など、感染の恐れがある人こそドンドン検査を受けてもらいたい。限られた資源の有効活用と実態把握を両立させていく。次に、規制緩和による首都圏の鉄道網における混乱の問題では、車両の修理と、社会的間隔維持のための場所確保が急務であると関係者に指示した。また、政府機関と公社公団においては、在宅勤務と時間差通勤の徹底を指示した。さらに、海外残留タイ人の帰国促進については、①脆弱グループ(病人・ビザ失効者・観光客など)、②緊急グループ(留学生等)、③出稼ぎ失業者の優先度に従って進める。一方、伝染病法により中国や韓国などを危険伝染病発生地に指定している件、厚生大臣から規制緩和の提案を受け、CCSAで検討し「原則承認する。ただし、実際の規制緩和には人流の活発化によるウィルス侵入リスクがあるため、相当の調査と手続を経なければならず、慎重に段階的に進めていく」こととなった。次いで、アセアン域内協力の面では、ワクチンの共同開発を提案していきたい。PPE(個人防護服)の国産化も推進。コロナ危機は、①感染拡大、②経済的ダメージ、③社会の疲弊の順番で進んできたので、解決策も①防疫・治療、②経済支援、③社会復興と官・民(大財閥20社等)共同作戦で引き続き進めていくこととなった。

200507 ラワロン財務省財務経済課長:社会保険制度外の労働者(個人事業主・その従業員等)向け経済支援策である「ラオマイティンカン(私たち見捨てない)」プロジェクトの進捗状況は、200328の申請受付スタート以来、今日現在、申込者2880万人のうち重複申込者480万人とデータ不足者170万人を差し引いた2230万人が審査過程を経て、不適格者・データ不足者や途中棄権者を除く1340万人が審査に合格し、明日までに1100万人に対して給付済みとなる。残り240万人も来週中に振り込む。審査結果はホームページで確認できる。まだ50万人がデータ不足なので該当者は追加データの入力をお願いする。上記の数字は今後も増えていく見通しである。

200508 タウィーシンCCSA報道官(精神科医師):どこへ行くにもマスクを着用し感染拡大を止めよう。タイ国内の新型コロナウィルス(COVID-19)発生状況は感染者3,000人(うち新規感染8人)、回復2,784人、治療中161人、死亡55人。全世界累積感染者数が390万人、死者数は27万人を突破。米国が「コロナウィルスの変異によりワクチン開発に障害あり」と発表。帰国タイ人の空路受入れ(14日間隔離観察)は本日、エジプトから99人、アラブ首長国連邦から100人。明日、ベトナムから35人、日本から212人、オランダから50人だ。一方、陸路では本日、マレーシアから348人、ミャンマーから2人、ラオスから9人、カンボジアから9人が帰国。200418~200507の合計で8,892人が陸路帰国。昨夜の夜間外出禁止令では違法外出が減少し、感染危険行為は横ばい(飲み会56%、麻薬覚醒剤31%、賭博12%)。お酒は一人で飲もう。違法行為は止めよう。規制緩和対象事業者に対する200507の巡回監視の結果、分かった条件違反率は、全国15,414ヶ所のうち421ヶ所(2.73%)が条件違反していた。条件違反率は初日(200503)の4.88%から2.73%まで徐々に減少中。チェック項目は①検温等、②マスク着用、③社会的間隔、④手洗い・消毒、⑤密集回避である。難しくない。みんなで守ってもっと減らしていこう。違反者通報ホットライン1138。

200508 チャイワット運輸事務次官:COVID-19非常事態の中、22時~4時の夜間外出禁止中の運輸サービスは全面運休。それ以外の時間帯でも、長距離バスのサービスはコロナ危機前の全国843路線態勢から南部・北部・東北部・東部の20県で県境越え203路線(24%)が運休中である。また、鉄道は200503時点で通常の全国一日あたり500本体制に対して近距離43本のみが稼働中である(南線17本、北線4本、東北線2本、東部線8本、マハチャイ支線12本)。一方、バンコク都内の通勤電車では、規制緩和初日(200503)に車両トラブルから混雑し、感染拡大防止策が乱れてしまったことをお詫びする。その後は改善されている。迅速な検温のため、ほぼ全ての駅やターミナルにサーモスキャンを設置済みである。熱のある方は公共交通機関の利用を禁止させていただいている。マスク着用義務付け。アルコールジェルのサービスあり。特に社会的間隔保持は駅などだけでなく車内も徹底しているので移動が相当不便であるが、感染防止策なので我慢していただくしかない。電車一本当たりの乗客数制限により、順番待ちの場所確保と間隔保持基準を設定している。電車の本数を増やせとの要望もあるが、最短でも3分間隔が限界で、それ以上の本数確保は安全対策上できない。政府機関・公社公団では在宅勤務と時間差通勤(7時、8時、9時の三設定)を進めているので民間のご協力もいただきたい。なお、やむを得ず県境越え移動する方は、事前に目的地の県の感染防止措置基準(無感染証明書、14日間隔離観察の有無)を調べておくことをお勧めする。運輸省のホットライン1356。

200509 タウィーシンCCSA報道官(精神科医師):タイ国内の新型コロナウィルス(COVID-19)発生状況は累積感染者総数3,004人(うち新規感染4人)、回復2,787人、治療中161人、死亡56人。累積感染者3,004人の内訳は、首都圏1,700人、中部381人、南部718人、北部94人、東北部111人。全世界累積感染者数が400万人突破、死者数は27.6万人。(1日の新規感染者が1万人を超えて世界3位となった)モスクワで外出時のマスク・手袋着用義務付け。タイで20回洗濯できるPPE(個人防護服)開発成功、量産体制へ、まずは44,000着をタイ全国向け配送済み。タイ教育省は本年度の学校の一学期を200701~201113、二学期を201201~210409と決定。帰国タイ人の空路受入れ(14日間隔離観察)予定は、200510台湾、米国、日本から、200511日本、インドから、200512米国、ロシア、ブータンから、200513フィリピン、インドから、200514ドイツ、バングラデシュから、200515シンガポール、バーレーンから。200403~200508の帰国タイ人隔離観察は、対象者15,069人、帰宅済み5,661人、感染確定者87人となっている。昨夜の夜間外出禁止令では違法外出、感染危険行為ともに減少。規制緩和対象事業者に対する200508巡回監視の結果、分かった条件違反率は、全国16,024ヶ所のうち392ヶ所(2.45%)が条件違反していた。条件違反率は初日(200503)の4.88%から2.45%まで徐々に減少中。関係者のご協力に感謝する。

200509 ラッカナー教育省副事務次官:COVID-19危機により一学期の始業日が200701にずれ込んだ。みんなが初めて遭遇している渦中だが「学校が休みでも教育は休まない」の基本理念で遠隔教育化を推進する。これは6つの柱で構成、①教育環境の保健衛生(学校内感染防止策と遠隔教育)、②全員が教育を受けられる体制の確保、③待機期間中、また感染拡大の悪化により学校が休みでも17chの教育テレビで遠隔教育(幼稚園~高校15ch、職業教育1ch、定時制1ch)、④生徒、保護者、教師の意見を反映して創造的に調整、⑤時間割の柔軟な調整、⑥教育従事者のケアだ。この遠隔教育推進で危機をチャンスに変え、タイの教育制度の改善をも試みる。教育省とデジタル省が連携する教育テレビに加え、高校生向けにはネット授業を展開する。次に、政策的な調整として「休みを増やし」、「評価を減らし」、「無駄な行事を自粛」する。本年度の学校の一学期は200701~201113、17日間の秋休みを経て、二学期は201201~210409、37日間の春休みを経て来年度に引き継ぐ。並行してCOVID-19の感染拡大状況によって柔軟に調整を加えていく。教育テレビやネット授業は、著名な教師による授業を過疎地の生徒が受講できるような新しい場面も発生していくだろう。ひいては、生涯教育につながっていく流れも作り出せる。生徒の健康を守って教育レベルも上げていくので関係者のご協力をお願いする。

200510 タウィーシンCCSA報道官(精神科医師):マスク・手洗い・社会的間隔保持の三拍子で成果を上げていこう。タイ国内の新型コロナウィルス(COVID-19)発生状況は累積感染者総数3,009人(うち新規感染5人)、回復2,794人、治療中159人、死亡56人。累積感染者3,009人の内訳は、首都圏1,702人、中部383人、南部719人、北部94人、東北部111人。全世界累積感染者数410万人、死者数28万人を突破。昨日、成績の良かった韓国、ソウルのクラブがらみで18人の若者が新規感染確定したニュースは非常に参考になる。タイもガードを緩めてはならない。昨夜の夜間外出禁止令では違法外出、感染危険行為ともに増加(飲み会69%、麻薬覚醒剤22%、賭博5%)。酒類販売の規制緩和されたからと言って飲み会していいわけではない。マスクを外さなきゃ飲めない、それでヒトとしゃべるから感染危険行為だ、自粛を。規制緩和対象事業者に対する200509巡回監視の結果、分かった条件違反率は、全国16,831ヶ所のうち627ヶ所(3.73%)が条件違反していた。条件違反率は初日(200503)の4.88%から2.45%まで下がっていたのに、3.73%に上がってしまった。一昨日・昨日の番組で違反者通報ホットラインを紹介したので通報が殺到したことによる。みなさんの協力で違反者を見つけ出し、改善していければ結果オーライだ。ところで、今流行りの社会現象、それは街角のあちこちに(日よけ雨除け付きの棚を設置して、その中にインスタントラーメンや缶詰、様々の食料品などを置いて、必要なだけお取りください方式)の「助け合い棚」が設置され、常に誰かが補充している。このような心温まる運動の広がりがタイのSNSから拡散されていくのは喜ばしいことだ。善行を積む方が御仏の御加護を授かりますように。

200510 ピヤ警察庁長官補佐官:行動規制緩和措置の開始から一週間が過ぎたので、緩和前の7日間と緩和後の7日間で比較してみた。警告と摘発の合計で、緩和前の4,407件に対し、緩和後は5,363件と増加した。その中で目立ったのが飲み会である。賭博は2、3人から10人20人と大勢の事件が増えてきた。巡回監視で同行しているお医者さんの指導を聞かないなど悪質なケースも多い。飲み会はなぜダメなのか、それは、マスクを外す、大声でしゃべる、距離が近いことにより感染危険度が高くなるからである。

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*当事務所の対策状況:
コロナウィルス(COVID-19)対策のため小社では当面の期間、下記のとおり万全対策を行っております。お客様各位のご協力を賜り、まことにありがとうございます。

お客様対応はテレビ会議(Web会議)・eメール・電話に「全てを切り替え済み」です(対面式の会議は当面の間、自粛させていただきます)。

しばらくご不便をおかけすることなり、誠に恐縮に存じますが、一致協力してこの難関を突破して参りましょう。

*お知らせ:
当事務所では在タイ日系企業向けに、社会保険(失業またはCOVID-19による一時帰休)補償給付申請の相談/支援業務を日本語とタイ語で行っております。

以上です(上記は作成した時点でのご参考情報です。実際の運用の際は再度ご確認のほどお願いいたします。なお、西暦 = 仏暦 – 543です)

御社のご盛業を!日タイ経済産業連携と両国の永続的な友好関係を祈念して!

SME MULTI CONSULTANT CO., LTD.

川島和士 (KAZUSHI KAWASHIMA)