SME MULTI CONSULTANT ニュース57号(210719)
タイ法令の新しい話題を簡潔にまとめてお伝えします。バックナンバーは https://www.thaibiz.jp/?page_id=4785
1.タイ政府CCSA(COVID-19対策本部)が昼間も外出自粛へ、在宅勤務できない業務の通勤は可能:
「仏暦2548年 非常事態下の行政統治にかかる勅令第9条に基づく 施行規則第28号(210718官報掲載、210720施行、第6項のみ210721施行)」のポイント
200326に施行した非常事態宣言は定期的に延長されているが、新型コロナウィルス(COVID-19)の変異種が猛威を振るい、タイの医療制度は、特に首都圏で危機的状況のリスクにさらされている。政府は感染拡大防止、医療活動、ワクチン供給管理で全力を尽くしているが、210710付けの施行規則第27号を検証したところ、首都圏と各地域で急速な感染拡大が続いており、特に家族間や同居者間における高齢者、生活習慣病・呼吸器系疾患感者への感染が顕著であるため追加対策を要すると判断した。仏暦2548年 非常事態下の行政統治にかかる勅令第9条、仏暦2534年国家行政規則法第11条に基づき、首相が本施行規則を制定する。
第1項 首都圏の家族間・同居者間におけるデルタ株感染急増の主要因が外出者であるため、自宅からの外出と感染危険行為を抑制する。
第2項 徹底的最重点警戒区(ダークレッドゾーン)指定13都県: バンコク、ナコンパトム、ノンタブリ、パトムタニ、サムットプラカン、サムットサーコン、チャチュンサオ、チョンブリ、アユタヤ、ナラティワート、パッタニー、ヤラー、ソンクラー。本施行規則に反しない範囲内で施行規則第24号(210619官報掲載)、施行規則25号(210626官報掲載: 首都圏工事現場作業員、事業所・工場従業員への感染防止対策徹底、飲食店等の料理・飲物は持帰りのみ、国境・首都圏等の交通検問、感染危険行為の摘発強化、会食の自粛)、施行規則27号(210710官報掲載: 徹底的最重点警戒区(ダークレッドゾーン)における夜間外出禁止(21時から4時まで)、同時間帯の公共交通停止、不要不急の県境越え自粛、フェイクニュース取締り)も準用する。
第3項 徹底的最重点警戒区(ダークレッドゾーン)における(夜間だけでなく昼間も)不要不急の外出自粛(例外: 生活必需品・食料・医薬品等の調達、医療機関受診・訪問・勤務、ワクチン接種、在宅等事業所以外の場所では遂行できない業務のための出勤)。政府関係者・ボランティアによる生活必需品調達支援。
第4項 追加された徹底的最重点警戒区(ダークレッドゾーン)における最低14日間の夜間(21時から4時まで)外出禁止。違反者に対する法的措置。
第5項 徹底的最重点警戒区(ダークレッドゾーン)における交通検問設置。主たる目的は、ダークレッドゾーンから圏外への越境者抑制。
第6項 公共交通機関の定員を通常の半数に制限。ワクチン接種等医療機関への交通者に配慮。
第7項 徹底的最重点警戒区(ダークレッドゾーン)の共通対策措置(感染防止対策の徹底、行政指導と政府防疫措置基準への準拠: ①飲食店の店内飲食禁止。持ち帰りのみ20時まで営業可。 ②百貨店・ショッピングセンター・コミュニティーモール内のスーパーマーケット、薬局、ワクチン接種所、医療保険関係行政機関のみ20時まで営業可。 ③ホテルは通常営業。ただし、会議・宴会は自粛。 ④コンビニ・市場は20時まで営業可。20時から4時までは閉店。 ⑤学校・教育機関: 既出の施行規則のとおり。 *なお、病院・医療機関、薬局、一般商店、工場、証券取引所、金融機関・銀行・ATM、通信事業、郵便事業、ペットフード・ペット用品店、工具・建具店、雑貨店、プロパンガス店、ガソリン・ガススタンド、宅配業者は必要に応じて営業可。
第8項 政府機関・民間の会議・研修のオンライン化。
第9項 政府機関・民間のヒトの移動の最小化。
以下略
2.210718 タイ政府COVID-19対策本部(CCSA)によるコロナ現況発表:
タイ政府CCSAウェブサイトによるタイ国内の新型コロナウィルス(COVID-19)発生状況は、2020年からの累積感染者403,386人(+210718の新規感染11,397人)、回復283,910人、治療中116.135人、死亡3,341人。ワクチン接種実績は210718現在、1回目接種完了者10,780,432人、2回目接種完了者3,443,330人、合計14,223,762人。
タイ入国を希望する外国人向けASQ(Alternative State Quarantine: ホテルでの隔離検疫)対応ホテルの登録情報とサービス情報は、タイ厚生省健康サービス支援局COVID-19緊急対応センターのウェブサイトで公開されている。
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*タイ政府のコロナ対策の経緯と日本人ビジネスマンのタイ渡航(210719更新):
2020年1月以降の新型コロナウィルス(COVID-19)危機の中、タイでは首相・主要閣僚・公衆衛生学専門家と各省庁局長クラスが中心となり、200312付け「内閣府通達第76/2563号」により設立された「ศูนย์บริหารสถานการณ์การแพร่ระบาดของโรคติดเชื้อไวรัสโคโรนา 2019 (โควิด – 19): Center for COVID-19 Situation Administration、タイ政府COVID-19対策本部(CCSA)により、人口10万人あたり感染者0.2人の時点で、200326非常事態宣言を発令して(仏暦2558年伝染病法のみならず)40以上の法律を統合運用し、徹底的な対策(防疫・感染防止・治療)に着手しました。タイ政府は通常予算の組み替えに加えて1兆バーツのCOVID-19対策国債を発行し、その6割をCOVID-19直接対策(防疫・感染防止・治療)に、4割を経済復興に充てて各種プロジェクトを推進中です。別途、タイ中央銀行も9千億バーツの金融政策(5千億バーツの中小企業向け新規ソフトローン等+4千億バーツの金融機関安定策)を採っています。非常事態宣言(+夜間外出禁止令)が功を奏して感染爆発阻止に成功した200503からは段階的に「国民の経済、社会、安全保障の負担を軽減するための規制緩和措置」を進めてきており、タイ国内では国内感染者ゼロ記録を更新し続け、7月上旬時点で第5期まで規制緩和が進み、順調なら追加の緩和(トラベルバブルの実施等)に進む計画も出されました。しかしながら、経済回復との両立を図るタイ政府は、外国人の入国につき「経済復興に役立つ人材を優先的に入国させる」ため、第5期緩和でVIP外国人優遇枠を設定した直後、200710にラヨーンで発生した「感染エジプト軍パイロットの勝手な外出事件(翌日帰国)」などの事件が裏目に出てしまい、200714の閣議でVIP外国人枠は廃止され、外国人全員に14日間(実際は15泊16日)の隔離検疫が義務付けられました(当時、ラヨーン県では200校以上が臨時休校、またホテルの予約キャンセルなど被害が拡がりましたが、幸い二次感染は発生しませんでした)。その後、8月から10月までは落ち着いていましたが、11月以降はタイ隣接国からの不法入国者などの新規感染者がタイ北部で多数確認されました。年末年始には新規感染(入国者と二次感染)が一日平均200人規模で発生しており、年末年始帰省・国内旅行による人の移動も拡大したことを受け、CCSAはコロナ対策を再強化しました。2021年1月下旬から2月上旬は連日700~900人台と新規感染者が増加し、最重点警戒区(レッドゾーン)からの県境を越える移動では、移動先の県によっては14日間の隔離措置義務付け等の規制強化により、2月下旬にはいったん抑え込みました。しかしながら3月の店舗内飲酒解禁と政情不安隣接国からの不法入国者急増、さらにソンクラーン連休が重なり、4月中旬以降、連日2千人と上昇し始め、デルタ型など変異種が流入し、作業員宿舎や刑務所でクラスターが発生し、さらには一般家庭の家族や同居者感染も拡大し、直近では1日1万人を超える新規感染者数を記録しています。CCSAは上記の施行規則第28号(210720施行)により、コロナ対策を再強化しました。一方、3月下旬にスタートした輸入ワクチン接種ですが、数量が絶対的に不足しています。これに対してタイでは、SIAM BIOSCIENCE社がノンタブリ県にワクチン工場を立ち上げ210420に生産ラインの作業員募集開始、6月からアストロゼネカのワクチン量産が開始されています。チュラロンコン大学の独自開発ワクチン(mRNAワクチン)も臨床試験開始が発表されました。BOIのデジタルワークパーミット所持者と家族向けのワクチン接種予約も開始されています(210716 BOI)。また伝統的なタイ式医学の風邪薬である薬草のファータライジョーン(盗賊への天誅の意)が軽症のコロナウィルス患者2,914人に効いたという話題も多くのタイメディアで報道されました(210716マティチョン、デイリーニュース、プラチャチャート、プージャッカーンほか)。
上記の経緯の中で、2020年中は入国規制措置(特別便のみ)により、1万人を超える日本人ビジネスマンのタイ入国に遅れが生じていました(200703タイ外務省発表)。現在でも「タイのビジネスビザ申請」と「日本発タイ行きの渡航手続」はかなり複雑ですが、だいたいの流れは「前提としてビジネスビザ等を取得」してから、タイ大使館領事部・領事館ウェブサイト上で「①そのビザとCOVID-19対応保険のデータをシステムにアップロード」した上で、「②バンコク到着時の隔離検疫措置(ASQ)対応ホテルと航空券の予約データをアップロード」して、承認されたらCOE(入国保証書)をダウンロード印刷して、さらに出発前72時間以内にPCR検査の無感染証明書を確保してから搭乗・・。バンコクに到着したら、14日間程度の隔離検疫のため、ASQ指定ホテルに空港から直行(PCR検査陽性判定の場合は予約したASQ指定病院に入院)」という流れになっています。タイ政府は2020年8月に週1便、9月に週2便、10月~12月には週3便の特別便で日本人ビジネスマン等を受け入れました。2021年1月からは順次、定期旅客便が復活しています。これらの最新情報とオンライン手続システム更新版は、在東京タイ大使館領事部・在大阪タイ王国領事館・在福岡タイ王国領事館ホームページに掲載されています(タイ王国名古屋名誉総領事館のビザ業務は210527をもって終了と発表されています)。なお、210719現在、在タイ日本大使館ホームページでは、検疫所へ「出国前72時間以内の検査証明書」の提示が必要です。「出国前72時間以内の検査証明書」が提示できない場合、検疫法に基づき、日本への上陸が認められないことになります。と発表されています。
*当事務所の対策状況等:
コロナウィルス(COVID-19)対策のため小社では当面の期間、下記のとおり万全対策を行っております。お客様各位のご協力を賜り、まことにありがとうございます。
お客様対応は「テレビ会議(Web会議)・eメール・電話・ビジネス宅配便のみ」とさせていただいております(対面式の会議はタイの非常事態宣言解除までの期間、自粛させていただきます)。
SMEサイバーオフィスのバナー(お客様募集ご案内): https://www.thaibiz.jp
2021年7月よりSMEでは、顧問契約中のお客様サービスとして「SMEタイビジネス法令アップデート(月刊、日本語・タイ語)」を提供開始いたしました。eメールで毎月無料でお届けいたしております。
以上です(上記は作成した時点でのご参考情報です。実際の運用の際は再度ご確認のほどお願いいたします。なお、西暦 = 仏暦 – 543です)
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SME MULTI CONSULTANT ยินดีนำเสนอ “ข้อกำหนดและประกาศควบคุมโรคโควิด-19 นำโดยศบค. และหน่วยงานที่เกี่ยวข้องในประเทศไทย” ในรูปแบบภาษาญี่ปุ่น เพื่อเป็นการเผยแพร่ให้นักธุรกิจชาวญี่ปุ่นทราบและถือปฏิบัติตามมาตรการอย่างเคร่งครัด
ทั้งนี้ขอเป็นกำลังใจให้บุคลากรทางการแพทย์และขอให้คนไทยทุกคนผ่านวิกฤตโควิด-19 ไปด้วยกัน
御社のご盛業を!日タイ経済産業連携と両国の永続的な友好関係を祈念して!
SME MULTI CONSULTANT CO., LTD.
川島和士 (KAZUSHI KAWASHIMA)